顎関節症

『顎関節（がくかんせつ）』とは、あごの骨と頭蓋骨の骨を結んでいる場所で、耳の穴の少し前方に位置しています。
顎関節は咀嚼する・飲み込む・話すという日々の動作によって生じるストレスを分散させるために重要な役割を果たしているため、不具合が生じると日常生活にも支障をきたします。

全顎治療は顎関節症の疑いやアゴに不調がある場合に行うことの多いですが、当院では一般歯科治療やインプラントの際にも、顎関節に着目。
というのも、噛み合わせには実際に上下の歯の位置だけではなく、顎の動きの支点となる関節部分の状態によってズレが生じている可能性もあるからです。

当院の全顎治療は、顎の関節までを含めた状態を一つと捉えた治療を行っています。
「せっかく高い代金を払って治したのに詰めものが欠けた」
「インプラントしたのに、すぐに悪くなった」
周りの方から、そんな声を聞いたことはあるのではないでしょうか？その原因の多くは上下の噛み合わせにあわせて詰め物を作ったり、インプラント治療を行っている可能性があるためです。
当院では上下の歯の位置ではなく、顎の動きにあわせて噛み合わせを作ります。

アゴ関節は下顎が上顎にブラ下がっている状態になっています。
寝ている時に口が開いてよだれが垂れたり、力を抜いてるときに下顎は開いている状態になっているのはそのためです。上顎(顎関節)を支点として下顎が閉じる形になっているため、下顎は振り子と同じなのです。

振り子はリズムが狂わなければ、一定の速度で動いて乱れる事はありませんが、紐を人為的にずらしたり、下の玉の当たる位置がずれることで一度リズムが狂うと正確なリズムに戻すことは困難です。
下顎を「球」と考え、次に当たる球の位置を噛み合わせ位置と考えると、両方の球があっていれば順調に振り子は左右に振れていきますが、この噛み合わせがずれると、触れなくなります。

詰め物の欠けやインプラントが寿命に満たず悪くなるのは、このようなズレが原因と考えられます。
当院では振り子の糸の位置と振り子の軌道の当たる位置を、振り子の軌道内に球が来るように調整することにより、長期に安定させる治療を行っています。